レベルアップ

 

自撮り。私にとってプリパラのマイキャラの画像をツイッターにあげている瞬間は、一般的に自撮りと言われる写真をSNSにあげているときの気持ちと一緒だ、と私は勝手に思っている。私は私のマイキャラを介して自撮りをSNSにあげて"いいね"をもらっているの。ふふふ。楽しい。自撮りは遺影。

 

まずプリパラとはテレビ東京で毎週放送されているアニメである。今は"夢川ゆい"が主人公のアイドルタイムプリパラというシリーズが放送されている。私がいうプリパラとはこのアニメがゲーム化され、主にゲームセンターなどに置かれている筐体で遊ぶもののことである。自分のキャラのデータ(名前やランク、所持している髪型や髪色の情報)が入ったQRを読み込ませ遊ぶ。このQRの入ったカードのことをプリチケという。プリチケにはマイキャラのデータだけでなく、1枚のプリチケに1枚のコーデの情報が入っている。ヘアアクセ、ワンピ、シューズなどである。これらを組み合わせ着せ替えマイキャラはアイドルとしてステージに立つ。あとは選択した音楽に合わせボタンを押すだけの簡単なリズムゲーである。ラブアンドベリーというと想像しやすい人もいるかもしれない。こんな遊びに20も半ばの私がはまり、プリパラおばさんとしてマイキャラを育て始めた。

 

プリパラは私がなることのできない私になれた。初めに顔のパーツが決められて、レベルが上がれば髪の毛をかわいく染めて結んで眼の色を変える、遊んだ分洋服のコーデが集まって、普段着ることのできない洋服を着て、かわいいポーズをとってかわいい表情を当たり前にする。かわいいに溢れている。それでいてかわいいでしょって当然の顔をしていられる。最高。現実の私はかわいいと言われることが苦手だけどかわいいが大好きだからかわいいと言われることは嬉しいことのはずなのにどう反応していいかわからない。かわいいと評価される側にいたことないというのもあるけれど。とにかく反応がわからない。かわいくないですやブスですという言葉は、返事にしても自発的発言にしても相手を疲れさせるだけなのでなるべく言わないようにしている。そんな私自身の身になるとぐちゃぐちゃになってしまうかわいいが、プリパラだとかわいいとまっすぐに言うことができる。だってかわいいから。私が創造したかわいいが本当にかわいく目に見えてそして動いてくれる。幸せだった。やっと見つけたかわいいの在り処だと思った。私がどれだけかわいいと言っても、他の人には私が私自身ではなく私の創作したマイキャラを見てかわいいと言っているように見えるから、そうだねかわいいと同意を得られたとき、当然だよかわいいんだからと堂々としていられた。『私はかわいい』をずいぶんひねくれた形で肯定できた。

 

ゲームの中のキャラをレベルアップさせてかわいくしても現実の私がちっともかわいくならないことくらいわかっている。でも初めに書いたようにマイキャラの画像は私の自撮りだから、ゲームの中のキャラがレベルアップしてかわいくなれば現実の私の見た目が何も変わらなくてもかわいいは増幅している。私の創造したキャラを私がかわいがる、私が私をかわいがる方法をちょっと見つけたと思った。

 

プリチケがもう手元に戻らないかもしれないと思ったときに殴り書きしたブログ。よくある話といえばよくある話だよね。ゲームの中で自分がなれない自分になるなんて。

 

 

こんなぐちゃぐちゃに書いたけど、どうやら私のプリチケは私の手元に戻ってきそう。よかった。かわいいマイキャラでまた遊べることが嬉しいな。

 

昇華昇華。プリパラをもっと尊く遊び続けるために書いたブログでした。ここまで読んでいただきありがとうございました。プリパラの筐体の楽しさとは全く直結しない内容ですが私の楽しいを回りくどくまとめられてよかったです。言葉にするのを面倒くさがると楽しいの一言で完結してしまうので。ブログに書けて、もしかしたら読んでくれる人がいて本当によかったですありがとうございました。お一人おひとりに感謝を込めて。